ゆりかごから墓場まで〜一生オタク〜

節操のない雑食オタクの雑記です。時々コスメやお洋服の話もします。

2020年個人的ベスト映画6選

どうもこんばんは、オタクです。
いや、まだ2020年残っとるやろがい!!!という声が聞こえてきますが、ずっとずっと温めていたこの記事についに手を出したいと思います。

三子の魂百までとか言いますが、何を隠そう映画好きの父(休日は丸一日映画館を梯子して1日に3本見るガチ勢)から影響を受け、毎週のように映画を見に行っていた自分も御多分に洩れず映画が好きな人間に育ちました。特に今年はコロちゃん大暴れの影響でうちにいる時間も長く、片っ端から配信サイトを試しては映画を見漁る日々。たくさんの良作に出会えました。

というわけで私が「2020年に観た映画の中で、人に勧めたいかつ何度でも繰り返し観たい」と思った作品6つを今日は紹介したいと思います。韓国映画はひとつだけなのでkpopのお話とはまた離れてしまいますがどの映画も自信を持って人に勧められるものです。あっあと、先に言っておきますが私は見るジャンルに結構偏りがあります。邦画と洋画は満遍なく見る方だと思います。

•好きなジャンル 

ヒューマンドラマ、社会派、コメディ、ラブロマンス

•あまり観ないジャンル 

ホラー、SF、ファンタジー、アクション

っていう感じで今回紹介する映画も私の好きなジャンル中心です。出来るだけ結末や展開についてネタバレせずに書くように気をつけますのでそれではどうぞ。

 

1. コロナだからこそおすすめしたい 人生に疲れた時に、ちょっと立ち止まらせてくれる映画

かもめ食堂」(2006)ヒューマンドラマ

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なんかもう疲れたからとにかく全部投げ出して一回リセットしたいわ。そういう気持ちになることありません?この映画の主人公はまさにそんな感じで、いきなり単身でフィンランドヘルシンキに行っちゃうしレストラン開いちゃいます。

この映画は、一言でいうなら「人生のバイブル」になってくれる映画という感じです。明るいメッセージを届けようとすると、ともすると押し付けがましくなりがちじゃないですか。例えば、頑張らないといけないとか、努力しないといけないとか、夢は叶えないといけないとか。そういう固定観念とか縛られまくって疲れたわ〜って気分になるたびにこの映画を見たら「ただありのままに存在していること」そのものをまるっと肯定してくれるんです。私が何よりもこの映画が特別だと思う理由はそこです。

劇的な何かが起こりまくるとか、派手な演出とか、全然ないです。たぶん人生がうまくいっている!って人には刺さらない映画だと思います。つまらなく感じる人もいると思います。でも、折に触れて疲れてしまった時にオアシスに辿り着きたいと思ったら、この映画をきっとまた自分は選ぶだろうな、そんな映画です。

もちろん全編フィンランドロケ、フィンランドのおしゃれな街並み、出てくる美味しそうなご飯の数々にもすごく癒されます。唯一の難点はこの映画めっちゃお腹すいてくる。ヒーリング系映画の不動のトップとして永遠に推していきたい作品です。ちなみにこの作品が好きなら同じ荻上監督の「めがね」もおすすめです。こちらも癒し系。

 

2. おいしいご飯でほっこりハッピーになれるで賞

南極料理人」(2009)コメディ

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かもめ食堂と同じく「ご飯ほっこり系」と言うジャンルに位置付けているのですが、前者がよりヒューマンドラマだとしたら、こちらはより肩の力を抜いて楽しめるコメディ作品だと思います。その名の通り、南極調査隊の男性たちのすったもんだを描いた面白い作品です。過酷な環境にいるのに、どこか底抜けに明るい主人公たちになんだかホッとしてしまいます。

堺雅人さん演じる料理担当の作るご飯がまーーー飯テロ大爆弾って感じで最高に眼福です。涎が止まらなくなる映画です本当に。他にも高良健吾さんや生瀬さんなど錚々たるメンツが頑張る男性たちを描いていて、みんなすごく果てしなく遠くにいるのに、私たちの生活圏にも、あぁ、こんな人いるよねとなってしまうぐらい見ているうちに親近感を覚えます。もちろん性別は関係なく。

そしてちゃんと笑えるだけではなく家族や大切な人のことを考える瞬間を作ってくれる映画ですし、人恋しい寒い時にこそ見て温まる映画だと思います。南極は寒そうだけど。堺雅人さんの笑顔ってなんであんなに癒し効果あるんだろう。すごいな。

 

3. 美しくて切ない、叙情的な映像で一人で静かに感傷的な気持ちに浸りたい時に。

「ムーンライト」(2016)社会派

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何を隠そうあのララランドとアカデミー賞作品賞を争って見事勝ち取った有名な映画です。この映画はもともと飛行機で見たんですけど普通に疲れてて寝てしまって、今年見直したら非常に素晴らしい映画であの時寝落ちたことを激しく後悔しました。

ララランドがまさにミュージカル!動!の映画だとしたらムーンライトは静の映画だと思います。ある男性の幼少期から現在までの一生を追う話なのですが、冒頭から人生ひたすらハードモードで駄々暗いです。しかし。この映画の不思議な所は、ひたすら暗い話なのにいい意味でどよーんとした感じで重くなりすぎないんですよね。

こればっかりは感じ方だと思うんですけど、まるでクラシック音楽のように静かに物語が展開していきます。もちろん沢山の転換ポイントはあるのですが、暴力、ドラッグ、貧困、マイノリティなど過激に陥りがちな話を扱っているにもかかわらず、ひっそりとしてシーンとしてるんです。側から見ると静かでひんやりとしていて、でも触れると確かに温かい夜の海みたいな。そんな感じの映画です。

オラァ!!暴力や!!きゃあ怖い!みたいな過激なものではなく、見た後にはふっと一人でぼーっとして考えている自分がいる、そんな映画になっています。ララランドのような弾ける鮮やかさや明るさはないですがこちらも映像が叙情的でかなり美しいのでそう言った意味でもお勧めしたい映画です。あ、あと主人公1人を3人が年代に分けて演じているんですが、正直顔だちも全く似ていないんですが、不思議と同じ人に見えるんですよね。子役から大人の方まで俳優さんの演技力にも脱帽って感じだったなぁ。

 

4. 見た後にあなたに何かを残し考えさせられる。現代社会の闇に切り込むあたたかく切ない映画

「わたしはダニエルブレイク」(2016)社会派

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イギリスのケンローチ監督のパルムドール受賞作品です。今年のお正月に友達とこの監督の最新作「家族を想うとき」を見に行っていろんな意味で衝撃を受けました(まじで正月に見るべき映画ではなかった。メガトン級の暗さ)でもここまで見た人を「揺さぶる」作品を撮る監督の他の作品が見たくなって、父に聞いた所こちらを勧められました。個人的には家族を想う時より希望があって好きです。

この映画って、凄く変わってるなぁと初見から思っていたのですが「かなりノンフィクションに近いフィクション」として撮られてるんですよね。分かりやすい例としては、作中でほとんどBGMがありません。たぶん記憶してる限りゼロ。ダニエルブレイク、という男性とその周囲の方々にスポットライトを当てたドキュメンタリーを見ている気持ちにいつの間にかなっているんです。だから主人公やその周りの人に否が応でも感情移入してしまうし、あんまりだけど、これが現実だよな、って突きつけられてしまいます。

イギリスの現実社会、労働者階級がどんな困難に立ち向かっているか、残酷に浮き彫りにしている映画なんですけど、この「ダニエルブレイク」という主人公はイギリスだけでなくて世界中の多くの、格差社会に取り残された人々の象徴なのだなと思いました。この映画が賞を受賞したことはすごく皮肉なことでもあるし、普段私たちが自然と見ないようにしていた物から目を逸らさずに考えるきっかけをくれる映画だと思います。ちなみに出てくる舞台のイギリス英語のアクセントはんぱないなぁ。って見て思った。そこも含めてリアルで面白い。

 

5. 誰しもが経験したあの頃の甘酸っぱい気持ちを思い出させてくれる。キュンとして泣けるで賞

「純情」(2016) ラブロマンス

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こちらは以前別の記事でも紹介した、私の推しであるexoのドギョンスさん主演の韓国映画です。

あの、いきなりdisから始まって申し訳ないんですけど、私韓国ドラマで挫折(1話の初めで見るのやめる)がめちゃくちゃ多くて、理由としては、1.すんごい性格の悪い奴が出てくる 2.設定がファンタジーすぎてついていけないが主なんですけど、この映画はその2点をクリアしている素晴らしい作品だと個人的に思います。

こういう設定の韓国映画が見たかったわ!っていうリアルさなんですよね。島で育った5人の幼馴染の友情と恋愛の物語なんですけど、まぁー爽やかです。微笑ましい。思春期の揺れ動く微妙な感情、思ってることを素直に出せない感じとか、すごくあぁ、、わかるなぁ、、してしまう瞬間があると思います。でも逆にここまで普遍的なテーマだと、ありきたりなのでは?って思う人多いと思うんですけど、韓国映画お得意のとんでもない切り返しと急展開があります。ジャンルは全く異なりますが、パラサイトと同じあの緩急の付け方に驚きを禁じ得ない人が多いと思う(少なくとも私はそうだった)

若い女性の監督がメガホンを取っていて、凄く繊細で切ない描写が丁寧にされてるなぁと思いました。普通にギョンスが出てるからとか以前に話の内容が良いし、出てる方々の演技がどれも素晴らしいのでお勧めしたい映画です。まぁただこの映画も韓国映画なので日本の映画に比べるとちょい過激な暴力シーンも見られますのでその辺はある程度ご注意ください(グロくはないです)全体としてはかなり爽やかで、後味も悪くない映画なので自分が見た韓国映画の中では一番人に勧めたいと思いました。

ちなみに親にゴリ押しして一緒に見たのですが(ごめん親ニム)、父は「韓国映画って割と無理矢理泣かせてくる?ここだ!泣きどころ!みたいな演出多いイメージだけど、この映画は全然押し付けがましくなくて自然で良い。」と言っておりました。

 

6. 現実逃避したい人へ。可愛らしい映像と作り込まれた世界観の中でクスッと笑えるお話

「グランドブダペストホテル」(2014)コメディ、サスペンス

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ここまで割と暗い映画が続いたので最後にとっておきの映画をご紹介。ウェスアンダーソン監督の超美しくて楽しくてほっこりしてドキドキして泣けちゃう映画です。

この映画一本だけのために記事を書こうかと思ったぐらいにはお気に入りの映画で、何がいいかって映像がすんばらしいです。映画で真剣に社会問題とか考えるのもいいけど、完全に没入して違う世界行きたい!!現実とか知らん!そういう人にはこの映画を見れば間違いなくタイムトラベルできることをお約束します。紙芝居みたいに何十にもしかけられた伏線やとんでもなく金のかかっている可愛らしいセット、ポンポンテンポよく進む映画なので本当に物語の中に入った気分になります。

ほぼ全ての画角がシンメトリーになるように構成されていてもう、、監督のこだわりの凄さに圧倒されます。本当にこの世界があったら行きたい!と叫んでしまうような可愛らしい映像ばかりです。ウェスアンダーソン監督お得意の若干明るいグロもあります(kpopで例えるなら、レドベルみたいな世界観かな)でも、グロいのになんかポップにかなりサラッと流されてるから血とかダメな私でも全然いけた。

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あんまり言うとネタバレになっちゃうのでアレなんですが、この映画はあらゆるジャンルを楽しみたいわがままな方にお勧めです。一応コメディですが、いわゆる分かりやすい笑いではなくて、5秒ぐらい経った後に、、、、じわ、、みたいなシュールな笑いですね。ニヤニヤしちゃうみたいな。そして、元々はある殺人事件が起きるところから話が始まるのでサスペンスでもあり、珍道中でもあり、友情の話でもあり、プロフェッショナル仕事の流儀でもあり、ラブストーリーでもあり、最後はなぜか、、あれ、、?なんで泣きそうになってるんだ私!?みたいになる。そう言う映画です。ブラックジョークの中に社会風刺がひっそりとスパイスのように散りばめられていて、見る度に新しい発見があると思います。

あと私は俳優さん方にかなり無知だったんですが、一緒に見た友達が横で終始ど興奮していたので、すごく有名どころの素晴らしい俳優さんが揃っているそうです。味のある方ばかりが出演しています。でも世界観にハマりすぎてジュードロウとか最後までジュードロウって気づかなかった。とりあえず見た後にうーん良いものを見た。一つの芸術作品を見たなぁ。と満足し、ひっそりと悦に浸れる、そんな作品だと思います。

 

というわけで、来年も素晴らしい映画にたくさん出会えたら良いなぁ〜