ゆりかごから墓場まで〜一生オタク〜

節操のない雑食オタクの雑記です。時々コスメやお洋服の話もします。

推しが兵役にいってしまったら。オタクの心の持ちようby待つ女

どうも。オタクです。

 

突然ですが、韓国人男性アイドルを推す上で避けられない難関とはなんでしょうか。

毎日アップデートされる動画の供給についていくこと?多種多様なアルバムのバージョンを全て理解すること?マスターや公式から出される安くはないグッズvs購買意欲のバトル??

 

これらは全て、素敵な悩みだと私は考えています。韓国のアイドルの供給の多さは、肖像権にうるさめ?な日本のアイドルを凌駕する勢いで、とっても喜ばしいことですよね。

 

がしかし。

一点だけ、世にも恐ろしい、韓国人男性アイドルだからこそつきまとってくる悩みがあります。

「推し、兵役に行く」問題。

これまでの供給の多さから一転、消息不明レベルで何をしているのか分からなくなってしまう。本人長期不在でのカムバック。推しの声が入らない円盤。どれだけオタクにとって辛いことか。

 

現に私の推しも昨年7月から2021年まで服役中なのです。そこで今回は、その日がやってくる前に、どのような心持ちでいると気が楽なのかを、1人駐在妻の気持ちでいるオタクが考えてみることにしました。

 

1.ケーススタディ〜突然入隊されるパターン〜

それは突然だった。(ここからは急にナレーションベースでいきます)

忘れもしない2019年5月30日のお昼のTwitterニュース

 

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んんん〜!?!?!?どういうことかな???

いやいやいや。この坊主すごい推しに似てる、、、ってかどっからどう見てもギョンスや。

おそるおそるkstyleのリンクをクリックする。

 

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そして同日、推しからの公式SNS(FCのメッセージ)が一億年ぶりぐらいに更新される。

f:id:sindemootaku:20200525083233j:imagef:id:sindemootaku:20200525083236j:imageここでやっと、ああまじなんだ。本当にギョンス行っちゃうんだ。と思った。必要なことしか書いていない淡白な文章と達筆な筆跡を見ながら思う。

 

でも正直鳩に豆鉄砲感は強かった。だってギョンスはメンバー9人の中では下から3番目。exoは当時数週間前に長男シウミンが入隊したばかりだ。なぜ突然?なぜ2人目で?頭がはてなでいっぱいになる。

だがそれと同時に、最近の活動で何かがおかしいとexo-L(exoのファンダム名。以下エリ)の中で渦巻いていた論争を思い出す。

 

今思い返すと兵役フラグ1

「シウミンとギョンス、パート激減問題」である。

事の発端は18年末(つまり兵役前最後)のカムバ曲「Tempo」とリパケ「love shot」(あの有名なナ〜ナッナッナナナナナの歌)で明らかに2人のパートが減っていたことに起因する。

まぁ正直グループに永遠に付き纏う問題だがオタクはみんな強欲なので自担のパートが少ないと文句言うよくあるアレである。

 

しかしその時は、ダンスが上手いシウミンと、メインボーカルのはずのギョンスのパートがなぜか少なくフォーメーションでもめちゃくちゃ隠される怪現象が起きており、私もざわざわしたのを覚えている。

このことから、兵役発表の半年以上前からおそらく今後について事務所とメンバーの間で議論がなされていたのだと思われる。

アンコンをシウミンとギョンスなしで行うことも決定済で、最新曲披露の際できるだけ違和感を少なくするために考えられたパート割だったのかと合点がいった。

 

今思い返すと兵役フラグ2

「移民するわけじゃあるまいし。」発言の真相

先ほど説明したように、シウミンというメンバーがギョンスより先に入隊した。彼はいわゆる「王道アイドル」を地で行くペンサ神であり、入隊前には見送るメンバーと共に盛大にファンイベントを開いてくれた。

 

そう、当然ながらここに私の推しも出席していたのである。これが行われたのが5月4日のこと。

 

メンバーひとりひとりが、シウミンヒョンに向けコメントを直接贈るラストで、グズグズ泣き虫カイくんを筆頭に滅多に泣かないシウミンさんですら泣いていた。

だけどギョンスはただ1人、泣いているファン達および号泣するメンバーを見ていつもみたいに笑っていた。

 

 

まるで音楽番組で新曲のPRコメントを求められた時かのような簡潔さである。まぁぶっちゃけ推しは舞台上で泣いたこと思い出す限りゼロ(あまり普段から泣かないと本人も言っていた)なので、この時もエリは「達観してるギョンスらしいね」で片付けていた。

他のメンバーからの挨拶は重めなので割愛するが、彼のコメントがあまりにも軽快なトーンだったことは、覚悟を決めていた*1裏返しだったのかなと、今になって思う。

 

そして入隊5日前(6月26日)に、

ギョンス、入隊日にソロの新曲公開決定

のニュースが飛び込んできた。いや一気に時間飛び過ぎだろと思うかもしれないが、ファンの実感としてはこのぐらいである。皆さんもここまででお察しかと思うが私の推しはSNSで自分のプライベートを発信することに関心が全くない。(いまだにインスタライブが何かもわかっていない)そもそもアカウントもないので、他メンが彼の名前を出すぐらいでしか近況を知りようもないのだ。

 

kstyleの記事にもあったようにギョンスは

「ディオが静かに入隊することを望んでいるため、本人の意思を尊重して入隊場所や時間は公開せず、当日も別途のイベントは行わないという。」

本人の希望でイベントを開くこともグッズを出すこともしないようだった。「もしかしてギョンスこのまま本当に何もなく行っちゃうのでは、、」と内心怯えていたエリ達は、曲を出してくれるだけでだいぶホッとした(はず)。

 

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心の内を、外にあまり表してこなかった推しが、初めて一曲作詞に参加する。そのことだけでも私にとってはとても嬉しいことだった。そして

「自身の幸せのために心を苦しめる感情は自然に流してもいいというメッセージ」

という所でまた号泣した。ずるいわ。推し。

 

あれよあれよと7月1日を迎えてしまい、久しぶりに見た推しは(ある意味見慣れた)坊主姿になっていた。

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久しく一緒に活動できていない唯一の中国人メンバーレイさんも、ギョンスを見送るためだけにわざわざ韓国に飛行機で駆けつけてくれた。この時はまだ、私は笑えていたと思う。

 

だが彼のソロ曲が発表された時、色々とこみ上げてきたものがあった。それはひとえに、that's okayの歌詞につきる。本人が一切出てこないMVにエリ達は「ギョンスらしいな」とまた思いながら、彼の考え、思いがそこにあったことに気付く。

 

 

全て解説すると長すぎるのでこれ以上追求はしないが、この歌詞は推しが兵役を迎える全てのオタクに贈りたいと思う。「流れるように生きていっても、大丈夫なんだよ」という歌だ。

 

2.供給がなくてもオタクは推しを応援できるのか?

さてここで、冒頭の疑問「推しが兵役に行ったらオタクのメンタルどうしよう問題」について自分なりの解をあげたいと思う。

 

ファイナルアンサーは

that's okay 괜찮아도_괜찮아 ケンチャナドケンチャナ

精神である。

流れるように、水のように生きる。何かを強いることをやめることが、かえって待つことにつながったりもする。

 

推しが兵役に行くと決まった時、移民するわけではないと分かっていたのに普通に涙が出てきた。でもそれは推しに会えない悲しみではなく、「推しなしでも成り立つexo」を見る辛さだったのだと思う。

だから私は、しばらくexoを追いかけるのをやめることにした。

一番辛かったのは、ギョンスのパートが他メンバーによって歌われているtempoを見たときだった。

推しはデビューしてから殆どの期間、俳優と並行して歌手活動を行なっていたが、歌関係のスケジュールに穴を開けたことはまずなかった*2。(メインボーカルとしてのプライドだったのかもしれない)

 

他のメンバーに全く罪はないが、彼の歌声が大好きだった自分にとっては「そこにいた人の不在」をまざまざと見せつけられた感じがした。それで彼がいた頃のstage mixを見た。でも逆に寂しさが襲ってくるので、ついにはギョンス自体を検索するのもやめた。

 

それでしばらくは、ただ他のグループを追いかけることに楽しみを見いだした。そのおかげでセブチだけでなく他のコンサートに行くきっかけにもなった。

そうこうするうちに、ギョンスの過去ドラマを見るようになり、少し気持ちが晴れた。あくまでそこにいるのは役であり、彼ではないため余計な私情を挟まずに見ることができた。

 

ある日久しぶりに推しを検索すると、彼の元気そうな坊主姿がネットに出回っていた。彼は思った以上に健康で笑顔だった。友人から、彼が調理兵になったことも聞いた。自他共に認める料理オタクの彼らしいなと思った。

初めて推しが最初からいない状態で迎えるカムバックを追いかけるつもりはあまりなかったが、youtubeのおすすめに出てきてしまったので恐る恐るクリックした。

 

意外と「大丈夫」だった。その勢いでダンスステージも見た。相変わらずカイくんが腹筋を晒しながらせふんちゃんとバッキバキに踊っていた。9人から6人になったexoのステージは、相変わらず格好よかった。

カムバのvliveやバラエティで、シウミン、レイさん、ギョンスの話をしてくれる6人がいた。

 

この時テレビでリーダーのスホさんが、再契約するにしても事務所を出るにしても、一緒にいようと皆で決めた。と話していた*3。公共の電波でこれを話すということの重みと、推しはこの手の約束を忠実に守る人間だということを思い出した。ギョンスがふらっといなくなってしまうという漠然とした不安が、この時消えた。

 

そして気付いたら、推しのいないexoをまるっと応援できている自分がいた。ギョンスのあのハスキーな声が聞こえないアルバムを聴き、それをプレイリストのお気に入りに追加している自分がいた。この時、ギョンスがあの歌に込めた「流れるように生きて大丈夫」の意味をようやく理解できた気がする。

 

推しがいない推しグループを無理して追いかけなくても大丈夫。

推しを無理やり思い出さなくても大丈夫。

時間に身を任せれば、またいつか追いかけたくなる時が来る。苦しまないように、ただ好きなことをして過ごそう。

〜〜〜

「離れて気持ちが失われたらどうしよう」

と律儀なファンは思うかもしれない。

そんなときは、僕達とファンは、互いに良い影響を与え合う存在でいたい」というSEVENTEENのミンハオくんの言葉をぜひ思い出してほしい。

 

無理に忘れなくていいのと同様、無理に応援し続けることがアイドルがファンに望むことだとも、私は思いません。気持ちが変わることを恐れる必要はないのです。過去にあなたが推しを大切にしていた。そのことだけで、推しも、あなたも幸せになれた瞬間がきっとあったはず。それで十分なんです。


そう思えたのは、やっぱり推しの置き土産ソングの歌詞を読んでからでした。

両目いっぱいに溢れ消えていく思い出が大切な僕達の物語だとしても 日々を過ごしまた思い出したら 君に言えるかな 君も幸せだったかなと 過ごした全ての日々が愛で溢れていたと

 

気持ちが離れていくファンの心情すら肯定してしまう、あぁ、私はこの人のこういう所が好きなんだった、と改めて気づき泣けてしまったな。

推しを複数もつことのメリットにも、このときに気づきました。何も全身全霊毎秒1人の推しのことを考えることだけが応援ではない。あえて意識的に離れることが、短くはない期間をやり過ごす上で役に立つこともあります。

 

辛くなって、遠ざけて、忘れかけた頃に思い出して、また愛おしく感じて、ついには推し抜きでも彼らをまた追いかけている。

わたしはそんな道を辿りましたが、全ての人がこうである必要もありません。

ただ言いたかったのは、「無理やり応援するマインド」を無くすことが、案外と推しとオタク、双方にとっての幸せの近道かもしれない。という話でした。

 

そうして私は、あと半年と少ししたら丸坊主の推しがにこにこ笑う顔を見られることを祈っています。

おしまい。

 

 

*1 他にも19年1月に7年ぶりに長期休暇(といっても6日間)をとったと話していたこと、予め調理師免許を取得しておいたこと(調理兵に志願するためというのも理由の一つだったと思われる)など、色々と用意周到な推しらしいなと思った。

 

*2 歌謡祭などで足首の様子がおかしそうな時が数回あったが、舞台終了後に病院に駆け込んでいたようだった。ライブでは涼しい顔をしておきながら翌日に車椅子で空港に運ばれていた時もあった。ファンの前では痛みをおくびにも出さず絶対に舞台をやり遂げる、不言実行な所が好きだったなぁ。

 

*3 ちなみにこの時MVの予算について直談判したが突っぱねられた話などSMに文句を皆言いまくってたので少女時代のように事務所を出るパターンもあり得るかもと思ったり。あるいは公共の場で言うことで上層部の考え方を変えようとしているとしたら、スホさんの頭のキレっぷりに平伏するしかない。